5月アルミ地金レポート
アルミは、昨年、一時3200ドル前後まで高騰した原油高騰で、加工賃が上昇して、採算が悪化した精錬所が、減産や操業停止に追い込まれた為だが、ただ、投機マネーが押し上げた側面が非常に強かった為に、安定した価格が続かない。
今後は、米国の景気減速が、アルミの需要緩和を促すだろう。米国では、住宅着工件数や、自動車販売台数の伸び悩み等、アルミ相場を見通す上では、弱材料となる数値が目立ってきた。統計から見ても、米国のアルミ需要が、半期に復調する兆しは見えてこないとの見方をして来ているが、高値を保とうとするファンド買いは、引続き入ってくるだろうが、需給等に逆らっても、ファンドの成績は上がらないと見て、むやみな買いは続かないのではないか。世界各地で増産が相次ぎ、今後は供給が需要を上回るとの見方が多かったが、需要減退が鮮明となってくれば、年末に向けて、大きく下がる可能性がある。但し、LMEのアルミ相場は、当面上げ下げを繰り返しつつ、飲料缶など、夏の需要に向けての調達が、冷夏になるか、猛暑になるかによっても、大きな違いがでてくると思われるが、米国の需要減を長期化するようだと、年末に向けて、弱含む公算が大きくなって行くのではと見られている。
市況投票結果は、東京地区では、56S丸棒、63s形材で25円、アルミ大板、52s板は、30円、アルミ小板、快削棒が35円の値上りとなった。
大阪地区では、63s形材、快削棒が30円、56s丸棒、52s板が35円、アルミ小板、アルミ大板で40円の値上がりとなり、中部地区では、56s丸棒、快削棒が30円、63s形材、52s板は35円、アルミ小板、アルミ大板で40円の値上りとなった。
ロールマージンと地金上昇分が、販売価格に反映してきたものと思われるが、4月に入ってからの荷動きの活発差が、影を落し始めてきて、軟化傾向が見え隠れし始めたとの懸念材料が、広がりつつあるもようで、今後、全体の荷動きに、おおいに注視していかなければならない。
3月のアルミ圧延品での板類は、生産が前年同月比2.5%増の12万1千5百トンで、8ヶ月連続の同比増で、出荷が、同比3.7%減の11万9千5百トンで、8ヶ月ぶりに同比減となった。印刷版や箔地向けを含む、金属製品や船舶向けが同比増となったが、主力の缶材が2ヶ月ぶりの同比減、また、自動車向けが10ヶ月ぶりの同比減となり、電気機械向け、店売り等、広い分野で減少したことから、全体としては、出荷が、前年同月比でマイナスに転じた。
押出類は、生産が前年同月比、1.3%減の8万5千6百トンと3ヶ月連続で同比減となった。出荷は、同比2.2%減の8万3千9百トンで、2ヶ月連続で同比減となった。過半を占める建設向け、自動車向け等が同比減となったことから、全体として生産、出荷ともに、同比減となった。
箔は、生産が2ヶ月ぶりにプラスとなったが、出荷は6ヶ月連続のマイナスとなった。
06年度の圧延品は、板類での生産は、134万7千トンで、前年同月比で1.5%増、出荷は、134万7千5百トンで1.4%増となり、2年ぶりのプラスとなった。主力の缶材が微減となり、輸出も減少したが、電機、自動車を含む輸送機械、一般機械、卸売、小売等が好調に推移した。生産が、出荷ともに、2年ぶりに前年度を上回りプラスとなった。
押出類は、生産が、102万4千9百トンで0.2%増、出荷は、101万6千7百トンで、0.5%増と2年ぶりのプラスとなった。建設向け、自動車向け、一般機械向け等が
好調だった為、生産・出荷ともに、2年ぶりに前年度を上回り、押出類もプラスとなった。
箔は、生産が13万8千6百トンで、0.6%減、出荷が、13万8千5百トンで0.7%減となった。
主力のコンデンサーを含む電気機械向けが好調で、内需が前年度を上回ったが、日用品向けの輸出が減少したことから、全体としては、生産が2年連続、出荷は、4年連続とマイナスとなってしまった。
アルミ市場では、ロシアの二大アルミ会社とスイスの商社のアルミ部門が統合し、
“アルコアを上回る世界最大(アルミナ生産量ベース)のアルミ生産会社”が誕生した
ばかりであるが、今回の大型買収劇は(北米アルミ最大手の米国アルコア社は
カナダのアルキャン社を買収すると発表した)統合が実現すれば、アルミナ生産
能力で年産2150万トン、アルミ新地金生産能力で780万トンとなり、世界最大
のアルミ企業が誕生することになり、世界的なアルミ産業の再編をさらに加速する
ことになりそうである。



